【支援者インタビュー】「経済的自由」という考え方を日越で伝えたい/樫根さん

2021/07/29

GINO-Tは、「Tシャツに印刷するイラストを100種類つくる」という目標を定め、2020年12月16日から2021年2月1日の一ヶ月半にかけてクラウドファンディングを実施。結果、107人の方々から目標金額の250%に迫る1,044,500円の有り難いご支援をいただきました。

ベトナム人実習生の失踪・過労死・自死などを解決する”Tシャツ”開発

そのリターン(支援者へのお返し)のひとつとして、紹介記事の執筆を設定。そちらを選ばれた計4名のご支援者の方について、ご紹介いたします。

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お名前は「樫根亮」さん。技能実習生を題材とした映画『海辺の彼女たち』の告知を見て、できることはないかとクラウドファンディングで検索したところ本プロジェクトを見つけたそうです。ベトナムにも6年間住まれたことがあり、私と共通の知り合いも数人いらっしゃる。「日頃から寄付を行っている」とのことで、まずはそこからお話をうかがいました。

高校時代からつづけてきた寄付・支援

樫根さん「高校生の頃からバイトで得たお金を寄付するということをやっていました。動物がめちゃくちゃ好きだったので、保健所での殺処分数を減らす地元の支援団体に。社会人になり余裕が生まれる中で、今は収入の数%は寄付するようにしています」

水嶋「ベトナムでもやられていたんですか?」

樫根さん「クラウドファンディングという形ではベトナムでも続けていましたが、昨年10月にベトナム中部で起こった大規模洪水をきっかけに寄付単体としても行いました。会社の部門責任者だったので社内のベトナム人マネージャーに声をかけ、グループ会社、従業員、そしてお客様からの支援金と併せて6万ドル以上を行政公認の団体に渡すことができました」

▲水害により水浸しになり使えなくなった家電など

▲水害に遭った地域の子どもたちへの支援

水嶋「すごい額ですね!素晴らしい。今回は災害に対するものとはまた違ったものへの支援だと思いますが、GINO-Tについてなにか思うところがあればお聞きしたいです」

樫根さん「おもしろいな、これは支援したいやつだな、と思ったのがはじめの印象ですね。私自身ベトナムにいたときも会話がむずかしくてあわあわした。それをボディランゲージなども交える中で覚えていく、会話と楽しい風景がリンクするというか。服は人が絶対着るものだし、いい発想だと思いました。成就してほしいです」

水嶋「ありがとうございます!『楽しい風景とリンクする』という感じは、すごく分かります。語学に限らず、それをを印象づける風景や、ほかに取っ掛かりが多い方が物事って覚えると思うんですよね。イラストを使う理由のひとつでもあるので、伝わってうれしいです」

▲フーコック島にて

▲よく通ったホーチミン(2区)のボルタリングジム

“経済的自由”という生き方を伝えたい

水嶋「取材にあたり伝えたいことを聞かせてください」

樫根さん「日本人にもベトナム人にも伝えたいのは、『経済的自由』という生き方ですね」

水嶋「経済的自由」

樫根さん「お金に関する知識をしっかり習得し、自分の時間を大切にしてほしい。『FIRE』(※)という概念があり、投資所得などで生活費を全てまかない自分の時間を好きなことに使える状態を指すのですが、私自身それを10年後までに実現したいなと思っています」

※Financial Independence『経済的自立』とRetire Early『早期退職』の頭文字をとった単語

▲樫根さんが影響を受けたという書籍(引用: 書籍「お金の大学」とWebブログ「リベラルアーツ大学」)

水嶋「FIREという言葉、最近ちらほら耳にしますね。なんとなーくのイメージはありましたが、”Financial Independence Retire Early”から来ていると今はじめて知りました!それを伝えたいということで、今なにか取り組まれていることはありますか?」

樫根さん「これまで貯蓄や投資の本を読んだり、簿記について学んできたのですが、お金の知識は溜まってきたので、それらを表現して人に伝えていきたいなと。Facebookページをはじめたり、ブログもはじめようと、イラストレーターのパートナーと話を進めています」

▲イラストレーターのパートナーに作画してもらった図解

水嶋「新しいほど、概念的であるほど、イラストは大事ですよね。分かりやすい」

樫根「ただ誰もがその日から投資だけで暮らそうといってできる訳ではありません。私もいつかはフリーランスになりたいと思っていますが、それも一定の収入が必要。みなさんも、会社員をしながら知識や技術を溜めていって、小さなリスクで進めてほしいと思います」

水嶋「私はもう10年まともに会社員をしていないので、今島にいる祖母に会うたび心配というか、どうやって食っていってるのか不思議がられるんですけど(笑)、最近はインターネットのお陰もあり、会社に属したり、大資本じゃなくても稼げる時代になりましたよね」

樫根さん「そうですね。今の私達は親が当たり前のように会社員をしていた世代なので、そこに倣うことに疑いはありません。まずは日本人に対して伝えていきますが、将来的にはベトナムで発信していき、個人ではなく国全体で幸せになっていってほしいと思っています」

思い入れのあるベトナムを貧困の少ない国に
水嶋「そこはやはり、ベトナムに思い入れがあるんですね」

樫根さん「インドネシアやカンボジアでも働きましたが、ベトナムが一番長いので。6年間いる中で、奥さんがひったくりにあったりもしましたが、基本的にはプラスのイメージしかありません。人は優しかったし、会社の部下も、どうにかして会社を大きくしたい、(上司である)自分を助けたいと動いてくれた。その背景には経済的な余裕もあったと思うんですよね。ベトナムが個人でなく全体的に貧困の少ない国になってほしいと思っています」

▲ある意味、「床」さえあればそこがお店になる。

樫根さんとの話の中でも挙がったのですが、ベトナム人は日本人に比べて「勝負師だな」と思うことが実に多かったです。たとえば、家を買うときには一階スペースで商売することが前提にあったり。屋台文化もあるので、昨今の規制をくぐり抜けて、店舗を持たずに飲食業をはじめることもできます。その背景には世間のサービスに対して必要以上に高いレベルを求めないということもあるかと思いますが、近年は順富裕層による物件投資も積極的です。

FIREという観点で自分自身を振り返ると、日本で嫌々働くことが限界になり、えいやっとベトナムに移り住み、好きなこと(文章や企画)を仕事に変えてきたタイプ(?)です。本質的には自分の人生から「本意でない仕事(時間)」をいかに追い出すかは同じで、「だから投資で稼ぐ」「だから好きなことで稼ぐ」というアプローチの違いだけなんでしょうね。

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リベラルアーツ大学: https://liberaluni.com

『このリベラルアーツ大学のブログに全てつまってますので、より良いコンテンツでちゃんと理解して欲しいのでこちらを掲載下さい(樫根さん)』

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