沖永良部島・和泊中学校で講演「ベトナムで外国人になってみた(多様性の話)」

2022/07/29

和泊中学校で講演をしてきました

去る7月9日、沖永良部島(おきのえらぶじま)にある和泊中学校からの依頼を受けて、講話(講演)をしてきました。え、わざわざ島に行ったの!?とお思いの方にいちおう断っておくと、住んでます。知ってる人には今更ですが。

一風変わった取り組みで、講演をする講師は私を含めて6人!じゃあ生徒は全員分聞くの?眠くならないの??というと、それは違って、タイトルを見て事前に気になった2人の講師を選んで前・後編に分かれて聞くというスタイルです

この和泊中学校さんが考えたプログラムの根底には、「郷土を愛する心を育みたい」という先生方の想いがあったのですが、各々の経験や活動について基本的には自由に語って構わないということだったので、そこはやはり…と、ベトナムで暮らした8年間を中心に話してきました。テーマは「ベトナムで外国人になってみた」、YouTuberの動画にありそうなタイトルで参加率を狙いに行きました。

講演前に生徒さんと話したら、「YouTuberっぽいタイトルだから気になって~」と言っていたので、狙い通り。しめしめです。

さて、実際はYouTubeにアップする動画収録をやる訳でもなく、このような内容について話しました。

自己紹介

・ベトナムでブロガーやっていました
・ドリアンの皮を装備した記事がバズって(話題になって)Yahooトップに
・要するにとってもおかしなことをしていましたと

ベトナムの話

・私が驚いたベトナムの当たり前
・ベトナム人が驚いた日本の当たり前
・当たり前は国それぞれ、なんなら78億通りあります。これは人類の数。
・そうやって当たり前が異なることを「多様性」と呼びます。「多様性」です、覚えてね。

沖永良部島の話

・島の当たり前もまた島外のそれとぜんぜん違います
・だから、島で育ったみなさんは、多様性を知る素質を備えている。
・大人になったとき、そんな当たり前が愛おしかったり、課題を解決したくなったら帰ればいい。
・「将来帰ってこい」と言う大人もいるが、昔は「帰ってくるな(成功しろ)」と言っていた。
・つまり、大人の言うことなんて時代で変わる。帰るか帰らないかはみんなが大人になってから決めよう。
・だけど、「島の当たり前」を知らなければ帰りたいかどうかも考えられない。今はたくさん島で思い出をつくろう。

子どもたちに帰ってきてほしい島の大人

上記でも触れていますが、最近は島で「大人になった子どもたちが帰って来たいと思える心を育もう、環境をつくろう」といった機運の高まりを感じます。背景には「自分(の世代)は帰りたくなかった」という、いわば反省の念があるのかなと思うんですね。実際に、30代以上の人たちと話していてもそんな言葉が出てきます。

とはいえ、私が島で話す人達は、「島に帰ることを選んだ人たち」なので、実際に島に戻らないことを決めた人たちはより強い思いを持っているはず。もちろん、家族ができたりなどで、帰りたくても帰る訳にはいかない事情もあるでしょうけど。

でも、流通の技術が高まり、インターネットで情報格差もほとんどなくなり、今の日本国内においては離島を含めて田舎にいるデメリットがかなり小さくなっています。むしろ自然に囲まれて暮らすというメリットがより際立ってきているから、UターンよりIターンに焦点の当たったワーケーションや地方移住という言葉が聞こえるようにもなった。そんな時代の変化に伴って、おそらく大人たちが頑張らなくても、今の子どもたちは大人になって当たり前に帰るであろうと思っています。

だけど、そこで将来起こると考える課題もあり。それは、故郷の外であまり経験を積まずに帰ってくると、経験不足で島に貢献できないということです。もちろん、貢献は本人の意志によって行われるものであるべしと思いますが、経験不足で貢献以前に、仕事も含めた人生の選択肢の幅が狭まることは間違いないと思います

その経験の内の大きなひとつが、「多様性を知ること」だと私は思っています。

生まれ育った故郷を離れて、他者の当たり前に触れることで、自分の当たり前を見直す、その繰り返し。故郷だったり、趣味だったり、仕事だったり、性格だったり、自分につながるたくさんの当たり前を何度も見直す。そして、ときどき誇りに思ったり、ときどき恥じらったり。そうやって視野が広がることで、豊かな発想が生まれたり、大胆な行動が取れたり、頼れる専門家とのつながりができる。そんな経験を内包した人物が、島を新しい未来へ導けるものだと勝手にそう考えています。

でも、まだ中学生の島っ子たちがそのステージに立つのはちょっと先です。だから今はとにかく、島で友達とたくさん思い出をつくって、自分にとっての当たり前を蓄積しようじゃ、あーりませんか。そんな話をさせていただきました。

クイズや動画を交えながら、なるべく楽しめるように工夫しましたが、あまり質問もたくさんではなかったので、大丈夫かなーちゃんと聞いてくれたかなーなんて不安に思っていましたが。後日感想集をいただいたところ、シッカリと届いてくれていたみたいでよかったです。

今さらですが、「オトナキ」という社名は、「子どもに手本を示せるような大人を増やしたい」という、大言壮語かつ大真面目な思いが込められています。今回の講演と、中学生たちの感想を読んで、自分自身もようやく、ちょっとくらいは子どもたちに少しくらい「ええ話」ができる年頃になったのかなーなんて思いました。

交流・学習に使えるツール紹介

交流雑貨COMETI(コメチ)

業種・分野に合わせて17種類のCOMIGRAMを印刷したアパレルと雑貨です。

合同会社オトナキに連絡する

そのほか、何かございましたらお気軽にこちらからお問い合わせください。