この記事は、私、ネルソン水嶋(水嶋健)が、外国人としての8年間のベトナム在住経験と、多文化共生マネージャーとしての活動と学習で得た知見に加え、AIの助けも借りて制作した記事です。日本に技能実習生や特定技能として来日が増える外国籍の方との信頼関係構築を念頭に、誰でも・今日から使えて・汎用性が高く・各言語でよく使われるフレーズをまとめました。
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日本の職場で、一日の終わりに交わされる「お疲れ様でした」という言葉。
相手への労い、感謝、そして「今日の仕事はこれで終わり」という区切りを意味する、日本社会においてあらゆる意味をはらんだ言葉です。
しかし、私がベトナムに8年間住み、現地の企業で働いていた時、常に感じていたことがあります。それは、「『お疲れ様』という日本語こそ、翻訳が難しく、誤解を生みやすい言葉はない」ということです。
「なんで疲れてないのに『疲れた』って言うの?」の壁
現場に入ったばかりの外国人スタッフから、こんな風に聞かれたことはありませんか?
「私、まだ元気です。疲れていません」
私たち日本人が無意識に使っている「お疲れ様」には、労い以外にも「こんにちは」「さようなら」「調子はどう?」など、文脈によって無数の意味が含まれています。この日本らしいとも言える、「ハイコンテクスト(文脈依存)」な文化は、文化圏によっては、非常に混乱するポイントです。
もしかすると、「お疲れ様」が直訳された「You are tired(あなたは疲れている)」は、時にはネガティブな意味(もう働けないのか?元気がないのか?)に聞こえてしまうことさえあります。
現場を変えるのは「母国語」という武器
では、言葉の壁がある中で、どうすれば相手に「あなたのことを気にかけていますよ」「今日もありがとう」という真意を伝えられるのでしょうか。
それは、「彼らの母国語で、一言だけ声をかけること」。これに尽きます。
流暢に話す必要はありません。文法が間違っていても構いません。重要なのは、異国の地で働く彼らに向かって管理職や日本人の先輩が「あなたの国の言葉を使おうとしてくれている」という歩み寄りの姿勢を見せることです。
その姿勢こそが、心の壁を溶かし、「この人は自分たちを大切にしてくれている」「ここは自分の居場所だ」という心理的安全性を醸成します。これは、離職を防ぎ、事故を減らすための、コストのかからない、しかし最強の安全管理手法でもあると言えるのかもしれません。
本記事では、「仕事終わりに効く、各国の労いフレーズ」を、全13言語・国別にまとめました。単なるフレーズ集ではありません。それぞれの国の「文化背景」や、「これを言われたら嬉しいツボ」も解説しています。
スマホでこの画面を開きながら、今日から現場で使ってみてください。彼らの表情が、劇的に変わる瞬間を目撃できるはずです。
1. ベトナム語:勤勉な彼らに響く「共感」の言葉
まずは、私自身が外国人として暮らしたベトナムです。
Hôm nay vất vả rồi.
読み方:ホム ナイ ヴァッ ヴァ ロイ
意味:今日は大変でしたね(ご苦労様でした)
「Vất vả(ヴァッ ヴァ)」は「苦労する、骨を折る」という意味です。日本人の「お疲れ様」のニュアンスにかなり近く、「忙しかったね、大変だったね」という共感の気持ちがストレートに伝わります。残業をした時や、肉体労働の後にこの言葉をかけると、「自分の頑張りを見てくれていたんだ」と深く感謝されます。また、シンプルな挨拶も有効でしょう。
Chào nhé!
読み方:チャオ ニェ!
意味:じゃあね! / さようなら!
そのほか、ベトナムでは「ご飯食べた?」が「元気?」と同義の挨拶として使われます。もし余裕があれば、こう聞いてみてください。
「Ăn cơm chưa?(アン コム チューア?/ご飯食べた?)」
これを日本人上司から言われたら、ベトナム人スタッフは驚き、そして満面の笑みを見せてくれるはずです。「家族のように気遣ってくれている」と感じる最高のフレーズです。
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